TKA後の膝立ち(kneeling)が可能な割合

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こんばんは。

TKA Labです。

 

 

人工膝関節全置換術(TKA)後に、

膝立ち(kneeling)について患者さんと話ししていますか?

また、

膝立ちをリハビリプログラムに入れていますか?

 

今回は、

TKA後の膝立ち(Kneeling)についてのお話です。

 

 

 

TKA後の患者の膝立ちは、

難しい動作の一つと考えられています。

 

難しい動作のとなる理由の一つは、

術後の膝の知覚能力や運動学が関与していると言われています。

 

TKA後には膝の知覚能力が低下している可能性があり、

また、

正常膝とTKAの膝立ちの運動学を比較すると、

正常膝とTKAでは異なるとことが言われています。

(正常膝とTKAの膝立ち動作の運動学については、

後日ブログにアップいたします。)。

 

しかし、

運動学が異なるというだけでは

膝立ちが難しい動作の一つと判断する理由にはなりません。

 

さらに、

TKA後のリハビリプログラムは、

ROMや筋力増強運動、動作訓練として階段昇降や歩行、

最近ではバランストレーニングが導入されていますが、

膝たちをTKA後のリハのプロトコルに導入しているところはあまり聞きません。

 

そこで、

今回はTKA後の膝立ち動作についてのお話です。

 

 

 

対象は、

後十字靭帯温存型CRを用いた症例288例です。

術後リハは6-9週実施し、

術後18-24ヶ月に膝立ちについてアンケートを実施しました。

 

アンケートの内容は、

膝立ちについて4段階に回答してもらいました。

 

no or minor difficulty:スムーズにできる

some difficulty:ちょっと難しい

significant difficulty:結構むずかしい

unable to kneel:できない

 

さらに、

膝立ちが難しい対象者は

膝立ちプログラムを導入しました。

 

1週目:ソファの上で1日10分膝立ち。

2週目:1床上の柔らかいクッションを置いて1日10分間

3週目:床に薄い枕を置くか、厚いカーペットので1日10分間

4週目:薄いカーペットまたはラグの上で1日10分間

5周目:床または屋外の地面で実施

*床上における膝立ちについて抵抗感のある方には、

椅子の上から始めました。

 

 

 

 

結果です。

まず、

最初のアンケートの結果から、

スムーズに膝だちができた症例は 68%でした。

また、

「ちょっと難しい」〜「できない」のは26.7%(77膝)でした。

 

「ちょっと難しい」〜「できない」症例のうち、

76%(68knee)は術前kneelingができてました。

また、84%が膝立ちをできるようになりたいという希望がありました。

 

「ちょっと難しい」〜「できない」症例の

やりにくい・できない理由として

疼痛(37 knees)、違和感(15knees)、

インプラントの故障の恐怖(11knees)、硬さ(10 knees)、

皮膚の過敏(9knees)があげられました。

 

 

「ちょっと難しい」〜「できない」症例の77膝のうち

43膝が追加膝立ちプログラムを受けました。

膝立ちプログラムを完遂したのは84%(36膝)であり、

完遂できなかった理由は、

病気や疼痛のため、

膝立ちプログラムが難しいから断念した症例はいませんでした。

 

膝立ちプログラム実施後、

「ちょっと難しい」〜「できない」症例のうちの

29膝は「スムーズにできる」となり、

残りの7膝は「ちょっと難しい」となりました。

 

 

 

 

もちろん、

術後数週間以内に術創部が開くような膝立ちはおすすめできません。

 

しかし、

術後のリハが終わって、

傷が治ったら膝立ちが一般的に可能なことを

伝えることも大切だと考えられます。

 

ただ、

今回の症例はCR型のため、

後十字靭帯切除型の場合、

ポストカムの破損の原因になる可能性もゼロではないため、

注意が必要です。

 

 

 

膝立ち動作は、

「ガーデニング」動作の時に用いられます。

TKA後のガーデニング動作は患者満足度調査において

満足度が低いと言われています。

今回の結果や、

満足度調査の結果を踏まえると、

術後の膝立ち動作の確認や指導は、

今後必要と考えられます。

 

 

本日は以上です。

 

合わせて読んでおきたい記事:  ホームエクササイズの歩行への効果
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