人工膝関節置換術の術前のリハビリの効果は?

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TKA後の膝関節の関節可動域(ROM)が、

術前のROMに左右されることや、

疼痛への周術期管理として、

術前のリハビリが術後の疼痛を減少させると言われています。

 

 

では、

長期成績(術後1年以上)に対して

術前のリハビリは、

身体機能に対して効果があるのでしょうか。

 

 

TKAを予定している対象に、

自宅にて6週間、

術前リハとして

・大腿四頭筋筋力増強運動

・下肢伸展挙上(SLR)

・椅子からの立ち座り

・階段昇降運動

・下腿三頭筋のストレッチ等)を行いました。

 

ROMや身体機能テスト・疼痛を測定したところ、

術後6週間では術前リハの効果が有意に認められましたが、

術後1年では、術前リハの効果が認められませんでした。

 

 

 

今回のような、

術前リハが術後1年の身体機能に対して効果がなかったという報告は1つだけではなく、

複数の論文が”効果”なしと報告しています。

 

 

 

術前リハが術後1年における身体機能に影響を及ぼさない理由は、

 

「手術侵襲による疼痛の影響が大きすぎて術前リハによる疼痛改善効果が消し去られる。」

「TKAによって膝関節周囲の環境が再構築されてしまい、術前リハで得られた膝の機能が消失する」

と論じられていました。

 

このような結果および理由のため、

海外では、

術前リハに対してはかなり否定的な見解であり、

術前リハは処方されないようです。

 

 

 

「リハビリ=効果がある」と考え、

当然のように

「術前リハは効果的である」

と思っておりましたが、

長期成績では効果がありません。

 

ただ、

術後6週では

術前効果が認められているため、

各症例のゴールに合わせて

術前リハの必要性を検討することが必要だと考えさせられました。

 

 

本日は以上です。

 

 

★今後のブログの予定★

・TKA後入院患者に対するリハビリの短期成績

・TKA後外来患者に対するリハビリの長期成績 等

 

 

合わせて読んでおきたい記事:  人工膝関節置換術と固有受容器の関係
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