- 2019-3-4
- その他
おはようございます。
TKA Labです。
本日は、
みなさんが読む論文が掲載されている学術雑誌の話です。
一般的に、論文が学術雑誌に掲載される段取りとしては、
①筆者が投稿
②査読:論文に関する分野の研究者がチェック
③審査:編集部や有名な研究者で構成された編集委員会が掲載の可否を判断
以上の審査が行われ、論文が学術雑誌に掲載されます。
しかし、
最近、信頼性の低い「ハゲタカジャーナル」と呼ばれる学術雑誌が話題となっています。
このハゲタカジャーナルとは、
論文が掲載される段取りの査読をほとんど行わずに、
論文掲載料だけ受け取って、インターネット上に論文を掲載する学術雑誌です。
10年くらいから話題になっていたようですが、
最近は1万近くのハゲタカジャーナルがあり、約50万本もの論文が、掲載されているそうです。
なぜ、このハゲタカジャーナルが問題となるかですが、
「ほとんど査読が行われない」ため、
科学的なエビデンスがないにも関わらず掲載されてしまうということです。
海外では、科学的根拠に乏しいデタラメな論文をハゲタカジャーナルに投稿したところ、難なく受理されたようです。
このようなハゲタカジャーナルに対して、我々セラピストには関係ないと思いがちですが、
そうでもありません。
セラピストがよく知っている学術誌がハゲタカジャーナルのリストに上がっていますし、
その学術誌の問題点も具体的に指摘もされています。
ハゲタカジャーナルを引用して学会発表することや論文を書くことは、
引用文献をきちんと読めていないセラピストとして見られてしまいます。
また、論文をたくさん書いても、
ハゲタカジャーナルに掲載されていることは自身の評価を大きく損ないます。
当然、自身だけでなく共同研究者や所属先の評価も損ないます。
このようなハゲタカジャーナルを引用文献に用いることや
ハゲタカジャーナルに論文を投稿しないためにも、
信用できる出版社かどうかの判断を
個人個人で行う必要があります。
医療は科学です。
科学的背景をきちんと踏まえ治療するためにも、
掲載されている論文だけでなく学術誌そのものに対しても意識を向けることも大事だなと思う今日この頃です。