人工膝関節置換術における膝蓋骨の置換と非置換はどっちがいい?

スポンサーリンク

 

 

おはようございます。

TKA Labです。

 

今回は、

人工膝関節置換術(TKA)における膝蓋骨置換の論文の報告です。

 

 

TKAにおいて、

膝蓋骨の「置換」・「非置換」は、

どちらが良いかは以前から議論されていました。

 

 

膝蓋骨置換を推奨する理由は、

anterior knee pain・合併症の発生を抑制できる、

膝蓋骨の再置換を防ぐことができる、

膝関節機能の向上とする

と、言われています。

 

一方、

膝蓋骨を置換しない理由は、

生理的な膝蓋大腿関節の動きができる、

膝蓋大腿関節の圧の問題が生じにくい、

膝蓋骨の骨自体の温存ができる、

膝蓋骨の骨壊死のリスクを減らすことができる、

膝蓋骨骨折・膝蓋靭帯損傷・膝蓋骨のインプラントの摩耗やルーズニングなどの合併症のリスクを減らせる

と、言われています。

 

 

以上のように「置換」「非置換」において

メリットがあるため、

今現在も結論が出されていません。

 

 

 

今回の研究は、

膝蓋骨の「置換」・「非置換」症例の

膝関節の機能、疼痛、再置換率を評価し、

「置換」・「非置換」のどちらが推奨されるのか、

今回も両群とも有意差がないという結果になるのか。。。

の、報告です。

 

 

 

対象は、53膝を対象とし、

18例が膝蓋骨置換(置換群)、

35症例が非置換(非置換群)としました。

 

調査項目は、

WOMACとSF-12、疼痛を

術前、術後3,6,12ヶ月に計測し、

再置換率も評価しました。

 

 

 

結果です。

 

 

 

術前と術後3,6,12,ヶ月を比較すると、

両群ともにWOMACスコアと疼痛スコアが有意に改善しました。

 

SF-12は、

術前と術後3,6,12,ヶ月を比較すると、

置換群が有意に改善しました。

 

術後3ヶ月と6ヶ月、

3ヶ月と12ヶ月、

6ヶ月と12ヶ月はどの調査項目も有意差を認めませんでした。

 

また、

再置換率、SF-12、疼痛スコアは、

両群において有意差を認めませんでした。

 

 

 

以上のような結果となりました。

 

 

一見、

膝蓋骨置換の方が有効か!

と思われるかもしれませんが、

置換群と非置換群を比較した際に

統計的有意差を認めませんでした。

このため、

今回も、どちらのにも軍配があがりませんでした。

 

 

膝蓋骨の置換・非置換に関しては、

過去に様々な報告がされており、

7年間フォローした報告でも、

膝関節の機能や疼痛において有意差を認めなかったという報告もあります。

 

個人的には膝蓋大腿関節の大腿骨の関節面の形状が、

手術により変更されるので、

膝蓋骨は置換した方が良いと思いますが。。。。

 

 

置換・非置換群において有意差を認めないのであれば、

置換・非置換のデメリットを念頭に置き、

各症例ごとにデメリットのリスクを軽減していくことが必要と考えます。

 

 

本日は以上です。

 

 

合わせて読んでおきたい記事:  TKA後6週間でどこまで回復?
スポンサーリンク

関連記事

LINE@登録はこちら

友だち追加

TKA Lab e-ラーニング

TKAに関わる理学療法士から好評いただいているTKA Lab e-ラーニングはこちら。↓クリック

広告

ページ上部へ戻る