人工膝関節置換術後の不満な動作は?

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こんにちは、

TKA Labです。

 

 

今回は、

人工膝関節置換術後の日常生活における不満についてのお話です。

 

人工膝関節置換術(TKA)を受けた外来患者さんに久しぶりに会った時、

特に支障なく、普段の生活ができているな。。。と見えても、

日常生活における不便さ、不満をご本人は感じています。

では、その不便さや不満はなんでしょうか。

 

 

この不満点を術前に把握し、

術後のリハビリの目標にすることや

術後の生活上の注意点(改善しきれないもの)として指導することは、

TKA後の患者満足度の向上につながります。

 

と、いうことで、

本日は、

TKA後の日常生活上の不便さや不満についてのお話です。

 

 

 

TKA後の満足度は約80%と報告されています。

つまり、

術後の患者さんの5人に1人はある程度不満を残しているという計算になります。

 

「不満」が残る原因の一つは、

術前の期待値と術後の生活との「ズレ」が生じるからです。

(詳しくは、TKA Lab e-ラーニング:歩行とADLをご覧ください)

 

そのため、

術前から、

術後の生活において「できること」と「できないこと」について、

具体的、かつわかりやすく説明する必要があります。

 

では、

実際にどのような動作に対して不満を感じているのでしょうか。

 

 

TKA後12ヶ月の7071人の患者さんを対象とした結果では、

 

 

男女ともにひざまずき(kneeling)動作に対しての不満が高く、

それぞれ59%、72%でした。

次に、

しゃがみ動作への不満が多く、

男性56%、女性71%でした。

 

一方。

歩行時の疼痛は男性12% 、女性16%、

安静時の疼痛は男性14%、女性18%と少ない値を示しました。

*その他の項目については下の表を参照ください(e-ラーニング視聴者限定)

 

表をみると、

かなりの割合の方がTKA後に不満を残していることがわかります。

特に、

ひざまずき(kneeling)としゃがむこみ動作に対する不満がもっとも多いことがわかりました。

一方、

歩行と安静時の疼痛が少ないことは意外です。

 

 

過去の報告では、

TKA後症例は、生体力学的に難しい動作(例:階段)について、

同じような健常高齢者と比較すると、

機能障害を経験していると言われています。

 

また、

しゃがみこみ動作(kneeling)やスクワットへの不満は、

過去の報告と同様な値をしてしています。

 

 

深屈曲動作や生体力学的に難しい動作は、

固有受容器の障害、

筋力低下(関節原性筋抑制)

正常膝と異なるkinematics

術前のROM制限等により、

TKA後は難しい動作となります。

 

このような動作について

できない理由、

今後可能となる可能性、

困難な時の代替手段を

術前から伝えることも

カラダのスペシャリストの理学療法士の役目です。

 

 

今回の結果や表を用いて、

術前から

術後の生活に対するイメージを

患者さんと共有し、

目標を設定していくことで、

術後の患者満足度の改善に貢献できるのではないでしょうか。

 

本日は以上です。

 

*e-ラーニング1年コース視聴者限定:術後1年において不満を感じる動作
(以下は、1年コース(分割、LINE割含む)の方のみ閲覧できます。1年コースの方は、ログインして閲覧ください。)

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合わせて読んでおきたい記事:  人工膝関節置換術の手術支援ロボットについて
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