大腿四頭筋のフィードバックトレーニング効果

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人工膝関節置換術(TKA)後の身体機能の早期回復は、

死亡率の低下、

入院期間の短縮、

術後合併症の抑制、

コストの削減につながります。

 

術後の身体機能の回復を促進する一つの方法として、

フィードバックトレーニングがあり、

リハビリに取り入れられています。

 

しかし、

TKA後のリハビリにおいて

用いられることは多くはありません。

 

TKA後のリハビリに

フィードバックトレーニングが用いられない理由として、

準備や記録に手間がかかることが挙げられます。

 

今回は、

準備や記録に手間のかからない装置、

「Knietrainer」が開発され、

この装置の効果と検証のお話です。

(ちなみに利益相反はまったくありません^^)

 

 

 

 

47名を対象に術後当日から介入しました。

リハプログラムは、

ROM-ex、

歩行訓練、

杖歩行、

筋力増強運動、

階段昇降訓練、

リンパマッサージ、

3回/日のアイシング

です。

 

 

2群にわけ、

トレーニング群は、

大腿四頭筋のセッティングを追加しました。

その際に、

膝窩に今回開発された圧力を確認できる装置を入れ、

さらに、

セッティング時の膝窩の圧力を視覚的に確認できるように、

専用のアプリを用いタブレット上にて表示させます。

(製品を見たい方こちらhttps://genusport.de)

 

セッティングの方法は、

5分間の運動を3-5回/日

この5分の間に、

・5秒間で最大圧を測定

・100secで最大圧-脱力の繰り返しを学ぶ

以上を行いました。

 

 

 

 

このフィードバック療法を行った群と、

行わなかった群を比較すると、

フィードバック療法を行った群は

【疼痛】

・術後5,6日における安静時痛が有意に減少

・動作時痛は術後1日目から4日目まで有意に減少

 

【筋力】

・大腿四頭筋力が有意に改善

 

【時間効率】

・短いリハビリの時間でも安静時痛、動作時痛、Timed up and go test(TUG)、最大筋力が改善

 

【各種評価】

・KOOS_ADL、KOOS_SPORTS、KSS_Functionにおいて有意な改善

 

 

以上のような結果となりました。

 

 

 

 

荷重や筋収縮を視覚的に確認できることは、

患者さんの運動への理解が高まります。

 

さらに、

今回の装置を用いたもう一つのメリットは、

アプリを用いて「大腿四頭筋の収縮-弛緩」

を様々な強さで頻回に行なったことも

効果的であった要因の一つと考えられます。

 

TKA後のリハビリを行なっていると

大腿四頭筋の収縮のコントロールが困難な症例も存在します。

 

このような症例は、

常に筋収縮が生じています。

 

常時大腿四頭筋が収縮していることは

ROMや疼痛の改善に支障が起きる症例も少なくありません。

また、歩行ではStiff Knee Gaitに繋がります。

 

このような

大腿四頭筋の収縮のコントロールが困難な症例には

収縮-弛緩を繰り返すこと(特に弛緩)は非常に有効です。

 

今回の結果においても、

安静時や動作時における大腿四頭筋の収縮がコントロールすることが改善できたことで、

疼痛の軽減や各種の評価の改善につながったと考えられます。

 

 

学校の授業で習ったフィードバック療法ですが、

リハビリに取り入れる機会って少ない気がします。

(部分荷重の際の体重計が一番頻回に用いているような。。。)

ぜひ、

この機会に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

本日は以上です。

 

 

合わせて読んでおきたい記事:  術後の下肢の腫脹と筋力・歩行能力との関係
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