患者立脚型評価と年齢との関係

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患者立脚型評価(PROMs)は近年よく用いられ、

患者さんへのアドバイスや予後予測に有用と言われてます。

 

PROMsは、

術前と比較して症例の変化を把握しやすく、

また、

医療従事者の満足度と

患者満足度が必ずしも一致するとは限らず、

患者さんの要求しているものを把握しやすいと言われています。

 

人工膝関節全置換術(TKA)後患者は、

術前の疼痛が強く、

術前機能が低い症例は

術後のPROMsスコアが低い傾向にあることがわかっています。

 

一方、

疼痛や機能面だけでなく、

術前の合併症や学歴、精神面も

PROMsへ影響を及ぼすことが報告されています。

 

 

今回は

加齢がPROMsスコアに

どのような影響を及ぼすかを調査した報告です。

 

 

 

 

PROMsは、

Knee Injury and Arthritis Outcomes Score (KOOS)と

Lower Extremity Activity Scale (LEAS)

を用いました。

計測時期は、

術前、2年後、5年後としました。

 

対象は、3693人を対象(平均年齢68歳 61%が女性)です。

 

 

 

 

術前のKOOS,KEASと年齢の強い相関は認められませんでした。

 

 

KOOS_pain、ADL、LEASスコアの分岐点は68歳であり、

KOOS_symptomスコアの分岐点は70歳でした。

 

つまり、

KOOS_painスコアは、

68歳までは1年経過するごとに

0.12ポイント増加しますが、

68歳を過ぎると、

1年経過するごとに、

0.09ポイント減少することがわかりました。

ADLスコアは、

68歳を超えると毎年0.29ポイント減少していくとがわかりました。

LEASスコアは、

68歳を超えると毎年0.07ポイント減少していくとがわかりました。

 

 

KOOS_symptomスコアは

70歳を過ぎると、

年齢が上がるごとに0.22ポイント減少することがわかりました

 

 

年齢の分岐点がなかったのは、KOOS_sportsとKOOS_QOLでした。

 

 

 

 

68歳や70歳を境に

KOOSのPain、ADL、Symptom、LEASのポイントが減少していく理由の一つは、

加齢によって活動量が低下し、

膝関節の症状が変化したと考えられます。

 

逆にみると、

70歳くらいまでは、

「少し痛いな。。。。」

と思っていても、

「活動したい」・「活動しなければいけない」

症例が多いのかもしれません。

 

 

今回の結果を踏まえ

70歳前のTKA症例を担当する際には、

活動量を維持したまま疼痛を改善するリハビリテーションプログラム、

70歳以降のTKA症例には、

現在のADL維持を目標とし、

下肢・体幹機能を中心とした機能訓練を中心に立案するなど、

リハビリテーションプログラムの立案に、

年齢も考慮することも大切かなと考えます。

 

 

 

本日は以上です。

 

 

合わせて読んでおきたい記事:  実生活に促した歩行テストとして8の字歩行テストはいかが?
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