膝蓋下脂肪帯について知ろう!(含有元素について)

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膝蓋下脂肪帯は、

大腿四頭筋腱によって形成された関節包の線維膜と滑膜の間に位置し、

膝関節を構成する要素の一つです。

 

膝蓋下脂肪帯の機能は、

保護機能、

バイオメカニクスに関与、

損傷後の修復細胞の貯蔵庫

と言われています。

 

また、

成長因子、

アディポサイトカイン、

炎症促進性サイトカイン及び補体成分の産生部位であり、

これらは、滑膜および軟骨の代謝に影響を及ぼすと言われています。

 

ただ、

膝蓋下脂肪帯の生理的機能ははっきりとはわかっていません。

 

 

そこで、

今回は、

人工膝関節置換術(TKA)後の膝蓋下脂肪帯の微量元素と環境要因との関係を調査したお話です。

 

 

 

 

TKA症例は46例(平均年齢73.4±8.5歳、34名が女性)

正常膝12例(年齢73.1±8.4歳、全員男性)を対照群とした。

症例の個人データを調査しました。

TKA症例では、

術中に膝蓋下脂肪帯を採取し、

乾燥させ、砕いて、原子発光分析を用い、

Ca、Mg、F、Pb(鉛)のを測定をしました。

 

今回はCa、Mg、F、Pb(鉛)と喫煙率や生活環境との関係を調べました。

 

 

 

 

結果は、

膝蓋下脂肪帯のMg濃度は年齢、居住地域、喫煙と相関が認められました。

 

Mg濃度は、

75歳未満と75歳以上を比較すると、

75歳以上が有意に高い値を示しました。

 

居住地域が10万人以下と10万人以上の症例を比較すると

10万人以上が居住する地域の者の

Mg濃度が有意に高い値を示した。

 

喫煙者と非喫煙者を比較すると、

非喫煙者の方が

有意に高いMg濃度を示した。

 

正常膝群とTKA群を比較すると

どの濃度ににおいても有意差を認めませんでした。

 

 

 

 

TKAを行う際に、

膝蓋下脂肪帯の一部分は切除されると言われています。

 

しかし、

残存した膝蓋下脂肪帯の量や質は興味深いところです。

 

 

今回はかなり限定的な地域に住んでいる症例の

膝蓋下脂肪帯の元素の含有量についての話でした。

 

正常群と比較してTKA群が有意差を認めなかったことは、

おそらく術後に残存した膝蓋下脂肪帯の質は、

正常膝の膝蓋下脂肪帯と大きな差がないと考えられます。

(拘縮の程度が記載されていなかったため確定的なことは言えませんが。)

そのため、

術後に残存した膝蓋下脂肪帯は、

術前と同様に機能する可能性があります(量的な問題はおいといて)。

 

 

一方、

喫煙者や年齢等において微量元素の含有量が異なるということは、

例えば可動域の改善の傾向や

大腿四頭筋の改善傾向が

TKA時の喫煙歴や年齢によって異なってくる可能性があり、

症例ごとによってリハビリテーションプログラムを

変化させていくことが必要かもしれません。

 

 

本日は以上です。

 

合わせて読んでおきたい記事:  人工膝関節置換術後6,12ヶ月の持続的な痛みは予測できるのか
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