TKA後の早期リハビリが術後鎮痛薬使用率へ及ぼす影響

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TKA Labです。

 

今回は、

人工膝関節置換術後の早期リハビリとオピオイド(術後の鎮痛薬)使用量の関係についてです。

 

 

 

TKA後のリハビリの目的は、

術後の膝関節可動域の改善、

筋力の改善を目的に行われます。

 

術前リハビリと、

CPMの効果は長期的膝関節機能への効果は示されていませんが、

術後(入院中)のリハビリは膝関節機能の獲得に効果的と言われています。

 

しかし、

入院中のリハビリをいつ開始したらいいのか、

適切な開始時期については様々な意見があります。

 

今回は、

早期リハ群と通常リハ群を比較し、

最終的な膝関節可動域と入院日数を比較したお話です。

 

 

方法は、

136名の早期リハ群と69名の通常リハ群を比較しました。

早期リハ群は、術後1日目からリハビリを開始し、

通常リハ群は、術後3日目からリハビリを行いました。

ただ、通常リハ群は術後1日目から車椅子に乗車しました。

 

入院中のリハプログラムは、

関節可動域運動、

大腿四頭筋とハムストリングスの筋力増強運動を

毎日行いました。

 

退院後のリハプログラムは、

まずはベッドで、

setting、

足関節底背屈運動、

自動屈曲可動域運動、

さらに運動負荷を上げていく場合には、

端座位にて大腿四頭筋トレーニング、

立位にてスクワットやランジ動作

歩行は、杖の使用(不使用)の歩行

自転車エルゴや階段昇降練習を

パンフレットをもとに行いました。

 

 

評価項目は、

膝関節可動域、

入院期間

術後鎮痛薬の一日使用量です。

 

 

それでは結果です。

 

術後40-50日後の

膝伸展可動域は早期リハ群の方が少しだけですが、

有意に良好な結果となりました。

早期リハvs通常リハ(2.7度vs4.3度)

 

また、

術後3,4日における早期リハ群のオピオイドの使用率が

有意に低い結果となりました。

 

入院期間については有意差を認めませんでした。

 

 

TKA後のリハビリ開始時期については、

手術後早期に行った方がよいという意見や

逆に術後早期に行うと膝関節機能に悪影響だという報告など、

まだ賛否両論です。

 

今回の結果から、

術後1日目からリハを開始すると、

術後約1.5ヶ月くらいの伸展可動域の結果がよいことがわかりました。

ただ、

この2度ほどの差が日常生活において

大きな影響をおよぼすかというと。。。。

でも、

結果は結果です。

 

次に、

題名に挙げた、

鎮痛薬との関係を見ていきましょう。

 

TKAは、

手術侵襲によって、

炎症性物質や他の炎症を誘発性する物質が放出され、

疼痛が発生します(当然ですが)。

そのため、

TKA後の疼痛抑制は大きな課題です。

 

このような疼痛に対して、

オピオイドが用いられますが、

鎮痛効果を認める一方、

一定の副作用も問題となります。

 

今回の結果から、

術後1日からリハを開始することは、

オピオイドの使用率を減らすことができるため、

悪心、嘔吐、便秘などのオピオイド関連の副作用も抑制することができます。

そのため、

術後1日目からリハビリを開始することは、

患者さんにとってかなりのメリットではないでしょうか。

 

痛み止めを飲んで、

痛いのは治ったけど気持ち悪い・吐き気がするってのは、

どっちがいいのか。。。

となってしまいますよね。。。

 

 

それぞれの理学療法士の働いている施設によって、

リハビリ開始時期が異なると思いますが、

今回の結果から考えると

術後1日目からリハビリを開始することは

かなり有益ではないでしょうか。

 

 

本日は以上です。

 

合わせて読んでおきたい記事:  TKA後の股関節周囲筋トレーニングの効果
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