人工膝関節置換術は除痛及び膝関節機能の再獲得を目的に行われますが、
先日LINE@で配信したように、
術後に疼痛が少なく、
膝関節の機能を再(新規に)獲得するためには、
周術期の疼痛管理が重要となります。
今回は周術期の中でも、
術前に焦点を当てた人工膝関節置換術患者の
術前疼痛と膝関節機能のお話です。
人工膝関節置換術を行った患者の術前の疼痛と機能を4段階に分けると、
約80%弱が強い疼痛と極度な膝関節機能の低下を有していたようです。
また、
この中で約90%が常々膝について悩みを抱えているようです。
実際、
TKAは除痛目的に行われるため、
当然と言えば当然な結果ですが、
8割弱もの方が強い疼痛を有していることは驚きです。
一方、
疼痛がほとんどなく、
膝関節機能が高かった方はたった5%でした。
これらの方は、
上にあげた強い疼痛と膝関節機能が極度に低下している方と比較すると、
1)高齢、2)太っていない、3)教養がある、
4)男性、5)健康であり日常生活にあまり支障がない、6)幸福度が高い、人たちだったようです。
このような方たちが何故、
人工膝関節置換術を行ったかの理由が知りたいところですが。。。
術前の疼痛が術後の疼痛に影響を及ぼすことを考えると、
TKA患者の中で術前にこれだけ多くの方に強い疼痛があるということは、
術前から疼痛の軽減を行っていく必要性を再認識します。
逆に、
術前に疼痛がほとんどなく、
膝関節機能が高かかった方の特徴の方には、
疼痛管理以外の理学療法でアプローチを充実させていくことを
検討していもいいかもしれません。
今回は、
人工膝関節置換術患者の術前の疼痛と機能についてのお話でした。