膝には、歩行の際に体重の3倍の負荷がかかると言われており、体重が多ければ多いほど膝関節への負担が増加します。
また、肥満の方の手術は脂肪の量が多く手術に難渋し、手術の結果が不十分な確率が増えるそうです。
このような肥満の方に対して、人工膝関節置換術後のリハビリは肥満ではない方のリハビリと同じ効果が得られるのでしょうか。
また、同じプログラムで良いのでしょうか?
本日は、肥満患者に対する人工膝関節単顆置換術(UKA)におけるリハビリの効果のお話です。
肥満でありかつ内側型変形性膝関節症を患っている方に対して人工膝関節単顆置換術(UKA)を行ったところ、術後2年までの再手術の件数や膝関節の機能はBMIと相関しなかったようです。
つまり、肥満でも手術に影響なく、術後の膝関節機能も肥満ではない人と大きな差がないようです。
ただ、これは人工膝関節単顆置換術(UKA)を行う際に、手術ロボット(robotic-assisted system)を用いています。
(手術ロボット(robotic-assisted system)は、人工膝関節置換術の成功の確率を上げると言われています。)
一方、BMIと相関した項目は痛み止めの量と退院時までのリハビリの回数です。
つまり、肥満の方は痛みが強く、リハビリが余分に必要だということです。
痛みの種類としては、持続的な痛みを訴える方が多く、再手術の原因の第一位に挙げられていました。
リハビリについては、詳細な内容が記載されていなかったのですが、再手術の原因の多くが”疼痛”と記載されていたため、疼痛に対するリハビリが重点的に行われたのではないかと思います。
また、人工膝関節への負担を減らすためにも体重を減らすためののリハビリも実施されたのではないでしょうか。
この結果から考えると、
肥満の方へのリハビリは、痛みや減量へのアプローチも検討していく必要があります。
また、この痛みや体重へのアプローチをプラスすることで、入院期間が短縮でき、術後の膝関節機能の回復を促進できると考えられます。
今回は、人工膝関節単顆置換術(UKA)と肥満の関係のお話でした。
荷重関節である膝関節は、体重と切っても切れない関係です。
今後、人工膝関節置換術後のリハビリにおいて、体重別のリハビリプログラムを検討することも必要かもしれません。
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