人工膝関節置換術後のリハビリのIT化

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近年のITの発達は医療にも大きな貢献をもたらしています。

人工膝関節置換術(TKA)においても例外ではありません。

今回は、TKA後のリハビリにおいて、

telerehabilitation(データ通信やインターネットを用いたリハビリ)についての話です。

 

 

今回の論文では、

単顆型人工膝関節置換術(UKA)とTKAの術後にtelerehabilitationを実施し、評価した研究のお話です。

 

評価項目は、

 

  1. プログラムを守れたかどうか
  2. どれくらいの時間リハビリにおいて時間を費やしたか
  3. 仮装リハのアプリの使い勝手
  4. 臨床的スコアの改善

以上4つを評価しました。

 

対象は、TKA18名、UKA139名です。

方法は、telerehabilitationシステム(The Virtual Exercise Rehabilitation Assistant, VERA (Reflexion Health, San Diego, CA←クリックすると今回の研究で用いられたアプリの動画が見れます)を用いてリハビリを行い、3次元動作の計測、ソフトウェアの分析をしました。

継続性の評価、総リハ時間を計測しました。

telerehabilitationシステムの便利性は、SUS(システム便利評価法)のアンケートで評価しました。

疼痛と膝関節機能はKSS、WOMAC、AM-PAC(ボストン大学が開発した急性期後の活動性評価)を用いて評価しました。

AM-PACの詳細

 

 

それでは結果です。

 

患者は、平均29.5日telerehabilitationシステムを用いたリハを行いました。

患者は、平均26.5分/日、平均13.5種類のエクササイズをしました。

リハビリのゴール到達までに、

患者のリハビリ総合時間は10.8時間、21のエクササイズを行いました。

平均のSUS(システム便利評価法)スコアは93ポイントでした。

KSSのpainと機能は、著しく改善しました。

疼痛はTKAで368%、UKAで350%、機能についてはUKAが27%、TKAが33%改善しました。

WOMACスコアはUKAで57%、TKAで66%改善し、

AM-PACスコアはそれぞれ22%、24%改善しました。

 

今回の研究で用いられたこのtelerehabilitationシステムは、

入院時から患者にとって有用であり、

特にコスト削減、利便性、自宅でのモニタリング・ケアを総合して見ることができる点において優れています。

プロトコールを守ることや患者の満足度改善のためにうまく活用できました。

さらに、

生体認証機能を持つ機器は、

適切なリハを保証し、理学療法の発展に用いることができます。

モバイルデバイスやタブレットで観察することができるアプリケーションが臨床で必要となるでしょう。

 

 

以上です。いかがでしたでしょうか。

 

タブレット端末にてアプリを利用するだけでなく、

テレビ電話を用いてのエクササイズや自宅での集団体操など

理学療法の治療に対してのITの活用は今後もっともっと増えてくると思います。

 

 

ただ、今回の文献では、

UKAとTKAを比較した報告であって、

telerehabilitationを実施した群と実施していない群を比較していないため、

その点は注意して文献を読む必要があります。

 

しかし、今後AIの開発やITのさらなる発展によって、我々の理学療法は大きく変わる可能性があるでしょう。

 

VRを使ったリハとか。。。

 

 

本日は以上です。

 

合わせて読んでおきたい記事:  人工膝関節置換術患者の術前の疼痛と機能
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