- 2018-10-15
- リハビリ
TKA後のリハビリは、
歩行の早期獲得や入院期間の短縮において重要と言われています。
今回は、
術後のリハビリ、
特に入院中のリハビリについての論文のトレンドとその効果についてのお話です。
これまでの論文におけるTKA後のリハビリの記述は、
リハ期間が3-14日と幅があり、
治療プログラムは、
歩行・ストレッチ・歩様の改善・CPM・水中運動・大腿四頭筋筋力増強運動・階段昇降訓練でした。
最近の論文における入院患者のリハビリについての記述は、
・短い介入期間
・運動療法の高負荷化
・歩行訓練開始は術後当日または翌日から
以上の記載が増えてきています。
このような
「高負荷」・「術後当日および翌日からの歩行」等の積極的なリハビリの効果は、
術後の軟部組織の拘縮を防ぎ、
十分な屈曲角度を得ることができると言われています。
術後初日に歩行訓練を開始し、
リハビリの効果を検証した論文では、
膝関節機能が有意に改善するとともに、
入院期間が短縮され、
医療費を抑制することができた。
と、報告しています。
術後リハビリの運動負荷についての報告では、
運動負荷を大きくするために、
歩行訓練(15分) + 3時間の休憩+ 歩行訓練(15分)
といったプログラムを術後1日目に行なったところ、
疼痛の悪化が認められませんでした。
そのため、
さらに高負荷の運動療法を術後早期から取り入れることも可能であると著者は書かれていました。
一方、
運動負荷を増加させるために、
1日に二人のセラピスト(つまり1日2回リハ)でリハを行なった研究では、
ROMには変化がなかったと報告していました。
TKA後の早期回復プログラムとして、
・術前教育
・術後翌日からの歩行
・投薬による疼痛コントロール
を取り入れたプログラムを実施すると、
入院期間が2.9日短縮され、目立った合併症もなく医療費を削減できたという報告もあります。
以上の報告をみると、
近年のTKA後早期のリハビリは、
術後当日もしくは翌日の歩行を開始し、
入院中のリハビリは決して長くはりませんが、
積極的に行われているようです。
また、
リハビリが短期間となることで、
廃用や合併症を生じさせず、
入院期間を短縮することができ、入院コストの削減にも貢献しているようです。
積極的な運動療法の内容としては、
歩行訓練が主でしたが、
TKA直後の膝関節屈曲可動域が十分であれば、
自転車エルゴメーターを運動負荷の増加に用いてもよいのではないでしょうか。
また、
腫脹や熱感によって高負荷の運動療法が難しい場合は、
寒冷療法や電気刺激療法などの物理療法を用い、
積極的に運動療法を取り入れることが可能な
膝関節の環境づくりを行うことも重要かと思います。
本日は以上です^^