理学療法士は必要!?~変形性膝関節症患者のトレーニングの効果~

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以前働いていた職場で、
退院後に患者さんの下肢機能を維持するためにはどうしたらいいのかと
上司に問われ、
自信を持って
「自主トレーニングを指導し、家で行ってもらいます!!」
と答えたことがありました。

 

しかし、
この自主トレーニングは科学的にどこまで効果があるのでしょうか?
理学療法士が直接運動指導をする場合と同じ効果が出るのでしょうか?

 

今回は、
変形性膝関節症患者を対象に、
セラピスト群と自主トレ群の2群に分け、
トレーニング後の疼痛、筋力、機能、バランスの効果のお話です。

 

 

実施したトレーニングは、

  • 座位で大腿四頭筋の等尺性収縮 1set 8-10回x10秒保持
  • 座位でハムストリングスの等尺性収縮 1set 8-10回x10秒保持
  • 座位で股関節内転筋の等尺性収縮 1set 8-10回 x10秒保持
  • 臥位で4方向SLR 1set 8-10回 x 5秒保持
  • 座位で膝関節伸展 8-10回x 5秒保持
  • 座位で膝関節と股関節の屈曲 1set 8-10回x5秒保持
  • 椅子からの立ち座り運動 1set 10回
  • 片足立ち 1set 8-10回 x 10秒保持
  • つぎ足歩行 10歩 5set
  • 爪先立ち歩き、爪先上げ歩き 10歩 x 5set
  • 8の字歩き 10歩x 5set
    (結構な運動量です汗)

 

以上のプログラムを3回/週、40-45分かけて行いました。

 

 

セラピスト群は、
2人の理学療法士が3 or 5人の患者に対してOA患者に指導します。

ホームエクササイズ群は、
セラピストが運動内容を指導し、
自宅で3回/週行いました。

6週後に、
疼痛、
大腿四頭筋筋力、
ハムストリングスの筋力、
6分間歩行テスト(6MWT)、
を測定しました。

 

結果は、両群ともに疼痛、筋力は介入前より改善しましたが、
1)活動時の疼痛の変化量
2)膝関節屈曲・伸展筋力の変化量
以上がセラピスト群で有意に大きかったようです。

つまり、
セラピストが介入した方が、
疼痛の変化量や筋力改善の変化量に優れているという結果となり、
トレーニングはセラピストと一緒に行うと
疼痛や筋力が大きく改善するということがわかりました。

 

 

また、
リハビリの回数を決める時、
1回/週や2回/週など、
セラピストがなんとなく決めているかもしれませんが、
他の文献からの報告では、
運動療法の回数は、
最低でもセラピストと行う運動療法が3回/週必要という報告や、
12セッション(例3回/週の運動療法を4週間続ける)の運動療法が
必要と言われています。

運動療法の種類や負荷ですが、
高齢者へ運動指導する場合、
身体機能を考えると、
若年者と同等の運動負荷では大きすぎることや、
高齢者の生活(座っている時間が長い,活動性が低い)を考慮し、
低負荷や少ない運動種目から行うなど、
生活背景を踏まえてのトレーニング指導が必要と言われています。

 

今回は、理学療法士は必要!?ということで、
セラピストが介入することで、
運動療法の効果が増加するという文献の紹介でした。

 

 

合わせて読んでおきたい記事:  人工膝関節置換術後の筋力・疼痛と歩行能力の関係
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