後十字靭帯温存型人工膝関節(CR)の後十字靭帯(PCL)はいつ機能するのか?

スポンサーリンク

 

 

膝関節のkinematicsに影響を及ぼす因子の一つとして、靭帯があり、後十字靭帯温存型人工膝関節(CR)置換術においては、温存された後十字靭帯が機能し、膝関節屈曲時にroll backを生じさせると言われています。

 

正常膝関節のkinematicsは屈曲に伴いroll backが生じますが、その際、後十字靭帯は屈曲時に伸張され、膝関節屈曲90度で約3%伸張されると言われています。

では、後十字靭帯温存型人工膝関節における温存された後十字靭帯はどれくらい伸張されるのでしょうか。

 

今日は、後十字靭帯温存型人工膝関節において、どのくらい後十字靭帯が伸張されるかの話です。

 

後十字靭帯温存型人工膝関節において、温存された後十字靭帯の伸張については、幾つか報告されており、その多くが屈曲に従って伸長されると述べています。具体的にどの角度で一番伸張されるのかというと、様々な意見があり、屈曲90度で最大伸張されるという報告や、膝関節伸展位から深屈曲に伴い徐々に伸長されるという報告もあります。

また、術後の脛骨後方傾斜角度も後十字靭帯の伸張に影響を及ぼすと言われており、脛骨後方傾斜角度が大きいと、後十字靭帯が伸長しやすいそうです。

 

後十字靭帯が伸張されるだけであれば問題はないのですが、冒頭でも述べたように、靭帯はkinematicsと深く関わっているため、過度な伸張は異常なkinematicsを生み出します(例えばroll backが発生しない等)。この異常なkinematicsが膝関節の屈曲角度に影響を及ぼし、術後の膝関節屈曲制限の因子となる可能性もあります。

 

リハビリでは、術後の温存された後十字靭帯の伸張に関して関わることができませんが、サギング徴候やグラビティーテスト、後方引き出し徴候等で後十字靭帯の伸張具合をチェックし、関節可動域運動の参考にすることも必要かと考えます。

合わせて読んでおきたい記事:  TKA後の膝の可動域に対する脛骨後方傾斜の影響とは
スポンサーリンク

関連記事

LINE@登録はこちら

友だち追加

TKA Lab e-ラーニング

TKAに関わる理学療法士から好評いただいているTKA Lab e-ラーニングはこちら。↓クリック

広告

ページ上部へ戻る