- 2018-5-23
- リハビリ
近年のITの発達は医療にも大きな貢献をもたらしています。
人工膝関節置換術(TKA)においても例外ではありません。
今回は、TKA後のリハビリにおいて、
telerehabilitation(データ通信やインターネットを用いたリハビリ)についての話です。
今回の論文では、
単顆型人工膝関節置換術(UKA)とTKAの術後にtelerehabilitationを実施し、評価した研究のお話です。
評価項目は、
- プログラムを守れたかどうか
- どれくらいの時間リハビリにおいて時間を費やしたか
- 仮装リハのアプリの使い勝手
- 臨床的スコアの改善
以上4つを評価しました。
対象は、TKA18名、UKA139名です。
方法は、telerehabilitationシステム(The Virtual Exercise Rehabilitation Assistant, VERA (Reflexion Health, San Diego, CA←クリックすると今回の研究で用いられたアプリの動画が見れます)を用いてリハビリを行い、3次元動作の計測、ソフトウェアの分析をしました。
継続性の評価、総リハ時間を計測しました。
telerehabilitationシステムの便利性は、SUS(システム便利評価法)のアンケートで評価しました。
疼痛と膝関節機能はKSS、WOMAC、AM-PAC(ボストン大学が開発した急性期後の活動性評価)を用いて評価しました。
それでは結果です。
患者は、平均29.5日telerehabilitationシステムを用いたリハを行いました。
患者は、平均26.5分/日、平均13.5種類のエクササイズをしました。
リハビリのゴール到達までに、
患者のリハビリ総合時間は10.8時間、21のエクササイズを行いました。
平均のSUS(システム便利評価法)スコアは93ポイントでした。
KSSのpainと機能は、著しく改善しました。
疼痛はTKAで368%、UKAで350%、機能についてはUKAが27%、TKAが33%改善しました。
WOMACスコアはUKAで57%、TKAで66%改善し、
AM-PACスコアはそれぞれ22%、24%改善しました。
今回の研究で用いられたこのtelerehabilitationシステムは、
入院時から患者にとって有用であり、
特にコスト削減、利便性、自宅でのモニタリング・ケアを総合して見ることができる点において優れています。
プロトコールを守ることや患者の満足度改善のためにうまく活用できました。
さらに、
生体認証機能を持つ機器は、
適切なリハを保証し、理学療法の発展に用いることができます。
モバイルデバイスやタブレットで観察することができるアプリケーションが臨床で必要となるでしょう。
以上です。いかがでしたでしょうか。
タブレット端末にてアプリを利用するだけでなく、
テレビ電話を用いてのエクササイズや自宅での集団体操など
理学療法の治療に対してのITの活用は今後もっともっと増えてくると思います。
ただ、今回の文献では、
UKAとTKAを比較した報告であって、
telerehabilitationを実施した群と実施していない群を比較していないため、
その点は注意して文献を読む必要があります。
しかし、今後AIの開発やITのさらなる発展によって、我々の理学療法は大きく変わる可能性があるでしょう。
VRを使ったリハとか。。。
本日は以上です。