- 2018-7-18
- リハビリ
おはようございます。
TKA Labです。
人工膝関節置換術(TKA)後のリハビリの運動強度はどの程度がよいのでしょうか。
高強度と低強度を比較した文献を
以前TKA Labセミナーでお伝えしました。
今回は、高強度のリハを行なった結果についてです。
対象は、
50歳以上のTKA後患者(術後12ヶ月)です。
165名を漸増負荷運動を実施(漸増群)、
40名をスタンダードな理学療法を実施(スタンダード群)、
88名を健常者群としました。
リハビリプログラムは、
漸増負荷運動群は、
週2-3回・合計12回(各々の最大下努力で調整した10回×3セット)、
スタンダード群は、
23回の自転車エルゴメーターと非荷重での下肢のエクササイズを行いました。
調査項目は、
KOS-ADL(患者主導型膝機能評価)、
大腿四頭筋力、
パフォーマンステストです。
では、結果です。
漸増負荷運動群は、
スタンダード群より
・膝関節屈曲可動域
・大腿四頭筋筋力
・階段昇降時間がより有意に改善しました。
ただ、
健常群の
・膝関節屈曲可動域
・大腿四頭筋力
・階段昇降時間には達しませんでした。
今回の文献は、
TKA後のリハビリを積極的に行う派の流れにのった研究でした。
スタンダードなリハでは、
患者が達成感を得ることができないと考察していました。
「トレーンングを実施した」ことに対する達成感より、
「健常者の膝により近づいた膝を獲得する」ことで
患者さんに達成感を得て欲しいなと個人的には思います。
また、
TKA手術で健常者と同じような膝を獲得できないと述べていました。
確かに骨と人工関節では材質も形状も違うため完全に
元どおりの膝を獲得することは困難です。
ただ、
筋力が健常者に達しなかったことは、
関節因性筋抑制(Arthrogenic muscle inhibition: AMI)の要因の可能性も捨てきれないため、
この漸増負荷運動+AMIへのアプローチを実施したみるともしかして。。。
本日は以上です。
※関節因性筋抑制(Arthrogenic muscle inhibition: AMI)についてはこちら。