人工膝関節全置換術(TKA)後,の大腿四頭筋の筋力低下に対して、
神経筋電気刺激(NMES)が有効と言われています。
特に、関節因性筋抑制(Arthrogenic muscle inhibition: AMI)に対して効果的と言われています。
でも、今回はNMESの大腿四頭筋への効果についての話ではありません。
今回は、
TKA後の関節可動域制限(ROM)の原因のひとつ関節線維症に対しての
NMESの効果についての報告です。
対象は、
後方視的に、
TKA後に理学療法(PT)だけ受けた群(PT群)86人と
PTとNMESを受けた群(NMES群)120名を比較しました。
調査項目は、
1)TKA後のマニュピレーションの有無、
2)術前後の関節可動域(ROM)
を調査し、PT群とNMES群の2群で比較検討しました。
結果です。
マニュピレーションを必要としたTKA後に関節線維症を合併した患者の割合は、
NMES群では7.5%、
PT群では19.8%でとなり、
NMES群の方が有意に低い結果となりました。
また、
NMES群ではマニュピレーションを必要とする率が有意に低い結果となりました。
NMES群はPTのみ群と比較すると
ROMの改善が有意に大きい結果となりました(+2.63度)。
術後のROMが大きければ大きいほどマニュピレーションを受ける確率が低くなる傾向があありました。
(そりょそうですよ。。。ROMよかったらマニュピレーションする必要ないし^^)
いかがでしたか。
今回は、
TKA後のROMに対するNMESの効果のお話でした。
今回の結果から、
TKA後のROMの難治症例に対して
治療方法の一つとして
検討してもよいのではないでしょうか。
本日は以上です^^