人工膝関節置換術後のバランス機能の評価について

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おはようございます。TKA Labです。

 

今回はTKA後のバランスに関する評価バッテリーのお話です。

 

TKA後は、バランスや筋力、歩行能力が改善します。

しかし、術後6ヶ月以内における転倒率が33%と高い値を示すと言われています。

 

転倒への評価のひとつとして、バランスの評価をしますが、

バランスを評価するバッテリーは様々あります。

しかし、

バランスの評価バッテリーは、

TKA後のリハビリの効果を評価するだけでなく、

細かな変化も評価できるバッテリーがより好ましいと言われています。

 

そこで、

今回の論文は、TKA後のバランス機能の回復を評価する4つの評価バッテリーの比較についてです。

 

 

134人のTKA後患者を対象としました(95名が女性、平均年齢63.3±6.6歳)。

 

4つの評価バッテリーは、

1)    Balance Evaluation Systems Test(BESTest)

2)    Mini-BESTest

3)    Brief-BESTest

4)    Berg Balance Scale(BBS)

以上を用いました。

 

これらの評価方法は、術後2,4,8,12,24週に測定されました。

Functional Gait Assessment(FGA:機能的歩行評価)は、

歩行機能の指標として用いられ同時期に測定しました。

 

比較は、

1)評価バッテリーの比較

2)各評価バッテリーとFGAとの相関

をみました

 

 

では、結果です。

 

4つの評価バッテリーの比較では、

BBSやBrief-BESTestよりも

BESTestがバランス能力の変化を正確に示しました。

 

BESTest、Mini-BESTest、Brief-BESTestは

FGAとの相関を認めましたが、

BBSはFGAと相関しませんでした。

 

 

以上のような結果となりました。

 

このような結果から

BESTestは、TKA後のバランスの能力の変化を測る評価バッテリーとして、適していると思われます。

ただ、BESTestは36項目からなり、測定に30分ほど要することから、

時間的制約がある場合は、

Mini-BESTestもしくはBESTestの短縮版のBrief-BESTestを選択するのもありでしょう。

 

 

いかがでしたか。

 

TKA後の転倒予防として、

バランス機能は重要です。

1単位20分という時間的制限のある中で、

いかに効率よく正確な評価をするかはいつも悩むところです。

また、

検査・測定は、理学療法士ではなくて、

臨床検査技師さんや、

運動機能検査室みたいな部屋を設けて

そこで専従の方に測定してもらい、

データだけ理学療法士が確認するというシステムができないかな。。。

その方が治療に専念できるのにな。。。

とか思う今日この頃です。

 

では。

 

 

*バランス:支持基底面に対して身体質量を制御する機能と定義

 

合わせて読んでおきたい記事:  TKA後とTHA後の転倒リスク因子とそのエビデンスレベル(会員限定)
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