ステロイドの使用は疼痛と膝関節機能へ影響を及ぼすか。

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人工膝関節全置換術(TKA)は、

関節機能の再獲得および術後10年の成績が良好と言われています。

 

しかし、

術後の疼痛については、

まだ検討の余地があります。

 

 

関節周囲多剤カクテル注射は、

術後疼痛の強さやおよび重症度を軽減するために近年注目を浴びています。

 

この関節周囲多剤カクテル注射は、

通常、局所麻酔薬、抗炎症薬、およびアドレナリンを含む様々な薬剤の混合物を、

手術の傷を閉じる前に、関節の周辺組織に直接注射します。

 

さらに、

メチルプレドニゾロンなどの中間作用性副腎皮質ホルモン(ステロイド)の使用は、そ

の抗炎症作用のために一部の専門家によって推奨されています。

 

しかし、

副腎皮質ホルモンの使用は感染のリスクを増加させるため、

周術期における副腎皮質ホルモンの使用は、

賛否両論です。

 

 

今回は、

両側TKAを行なった症例に対して、

関節周囲多剤カクテル注射に

副腎皮質ホルモンを追加した際の安全性と有効性についてです。

 

 

 

両側TKA症例50名を対象としました。

(平均年齢67歳、男性13例、女性37例)

 

術中に用いた、

関節周囲多剤カクテル注射に

メチルプレドニゾンを入れた群:S群、

メチルプレドニゾンを入れなかった群:C群

としました。

 

術後リハビリは、

術後当日から立位訓練、アイシングは4回/日を実施しました。

 

動作時痛はVisual analog scale(VAS)を用いて計測しました。

計測時期は、

術後24時間、72時間でした。

 

膝関節の関節可動域(ROM)は角度系計を用いて

術後1日目と3日目に測定しました。

 

 

 

 

S群とC群の結果の比較は、

1)術後24時間のVASはS群:2.9、C群:4.6(p<0.05)

2)術後72時間のVASはS群:2.0、C群:3.5(p<0.05)

3)術後24時間のROMはS群:67度、C群:55度(p<0.05)

4)術後72時間のROMはS群:80度、C群:72度(p<0.05)

以上となり、

関節周囲多剤カクテル注射にメチルプレドニゾンを入れた群の方が、

VASもROMも良い結果となりました。

 

一方、

SLRの可能時期は有意差を認めませんでした。

また、

手術後6ヶ月間経過をみましたが、

感染はありませんでした。

 

 

 

 

ステロイドの使用について

過去の報告では、

効果的ではありましたが、

合併症も指摘されていました。

 

どのような合併症かというと、

術後成績に大きな変化はなく、

敗血症と麻酔科でのマニピュレーションを必要とした症例が生じたようです。

また、

別の報告では、夜間痛と術後の疼痛にステロイドは効果的でしたが、

ROMヘ効果はなかったようです。

 

 

 

 

近年のTKA後のリハビリは、

クリニカルパスが用いられ、画一的な治療が行われます。

 

リハビリにおいて、

ステロイドの使用や

関節周囲多剤カクテル注射は直接関係ありません。

 

しかし、

ステロイドの使用が困難な症例が必ず生じます。

その場合、

ステロイドを用いた時と同じくらい疼痛を抑制するために、

リハビリとして何ができるのか、

疼痛によるROMの獲得の遅延をどこで挽回するか等を

術前および術直後から検討するためにも、

薬剤の知識は重要です。

 

 

手術時の薬剤の

「使用」「不使用」

を確認すること、

また、

それぞれの

効果、副作用について知識を持つことで、

リハビリ戦略の引き出しが増えてきます。

 

 

 

いかがでしたか?

可能であれば、

明日からでも

手術中にどのような薬剤が使われているかを確認してみましょう。

 

 

 

本日は以上です。

 

 

合わせて読んでおきたい記事:  人工膝関節全置換術後の疼痛と膝機能の変化
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