術前の高強度の筋力増強運動は、術後の姿勢制御にも影響をおよぼす?

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変形性膝関節症による影響の一つとして、

大腿四頭筋の筋力低下があります。

 

大腿四頭筋の筋力低下は、

身体機能に大きく影響をおぼし、

大腿四頭筋の筋力低下と歩行速度の低下、

バランス能力低下が相関すると言われています。

 

また、

下肢筋力の低下は転倒のリスクの増加にも繋がります。

変形性膝関節症の12 ヶ月における転倒率は48-49%と言われています。

 

 

最近の研究では、

人工膝関節全置換術(TKA)術後が、

姿勢制御の改善に効果的と言われている一方で、

健康的な同年齢の方と比較すると

身体機能の長期的予後は劣っていると言われていいます。

 

さらに、

TKA後早期の筋力低下は、

姿勢制御を困難にしていると報告されたものもあります。

 

 

過去に、

術前トレーニングが、

術後の姿勢制御に影響を及ぼすことを述べた論文がありましたが、

はっきりとした効果は述べられていませんでした。

 

 

そこで、

今回は術前に高強度運動療法とバランストレーニングを導入し、

術後の姿勢制御への影響についてのお話です。

 

 

対象は、

全例後十字靭帯温存型人工膝関節全置換術(CR)、

手術にはターニケットを使用しました。

 

リハビリプロトコルは全例共通のものを用いました。

 

リハビリ期間は18日間、

月曜日から金曜日まで行い、

1回のリハビリ時間はほぼ1時間行いました。

 

 

術前に

高強度の筋力増強運動とバランストレーニングを行なった群(介入群)のリハビリメニューは、

  • ウォーミングアップ
  • 筋力増強運動
  • バランストレーニング
  • クールダウン

*詳細なリハビリメニューは、会員限定ページで公開しています。こちら

術前リハビリは週3日、8週間行いました。

 

 

コントロール群は、等尺性収縮を中心に行いました。

コントロール群のリハビリメニューは、

  • 膝関節伸展を6-10秒保持を10-20回、10-20set/日
  • SLR 5-10秒保持 10-30回
  • セッティング 6-10秒保持 10-20回 10-20回/日

術前トレーニングの回数や期間は設けず、

術前トレーニングのメニューの提示のみ行いました。

 

 

評価項目は、

ロンベルグテストの開眼・閉眼を行い、

重心動揺計にてCenter of Pressure(COP)を測定しました。

評価時期は、

介入前(T1)、術前リハ開始後8週(T2)、

術後1ヶ月(T3)、術後3ヶ月(T4)に評価しました。

 

 

 

 

それでは結果です。

介入群は22例、コントロール群は22名でした。

 

COPの面積は、

ロンベルグ試験(開眼)では、

T2,3,4において介入群が有意に小さい値でした。

 

COPの左右への移動範囲は、

ロンベルグ試験(開眼)では、

T2において介入群が有意に小さい値となりました。

ロンベルグ試験(閉眼)では、

T2,4において介入群が有意に小さい値となりました。

 

COPの前後への移動範囲は、

ロンベルグ試験(開眼)では、

T2,3,4において有意に小さい値となりました。

ロンベルグ試験(閉眼)では、

T2において有意に小さい値となりました。

 

 

 

 

初期の変形性膝関節症例でも姿勢制御能力の低下があり、

股関節外転モーメントの変化、

両側の大臀筋、患側のハムストリングス・大腿四頭筋の活動性パターンの変化が認められると言われています。

 

その原因として、

変形性膝関節症の姿勢制御能力の低下は、

固有受容器・大腿四頭筋の能力低下、

下肢のアライメント(内反・外反)が考えられています。

 

二足歩行の姿勢は、

多関節連鎖のため、

バランストレーニングとともに、股・膝・足関節の強化が必要です。

 

そういった点では、

今回の介入群のリハビリメニューは、

単なる「筋力増強運動」

単なる「バランストレーニング」とならず、

股関節や膝関節周囲の筋力増強運動が

「運動連鎖」も含めたトレーニングとなり、

コントロール群と比較して

介入群において良い結果が得られたと考えられます。

 

ただ、

測定項目がCOPだけでしたので、

Functional Balance Scaleなど他の指標も用いて

介入群の「バランスが改善した」とと述べると

より説得力のある内容になるかなと思いました。

 

また、ることが必要と考えられます。

 

また、

術前8週間のトレーニングが、

術後3ヶ月まで効果が持続したのですが、

術後6ヶ月、1年、2年と効果が持続するのか、

術後6ヶ月以降術側の膝の状態を考慮し、

介入群のリハビリメニューを再開した方がよいのか気になるところです。

 

本日は、以上です。

合わせて読んでおきたい記事:  神経筋電気刺激療法(NMES)の効果について
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