人工膝関節置換術後の外来リハビリについて

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以前、人工膝関節置換術(TKA)後の入院時のリハビリについてお伝えしました。

今回は、TKA後の外来リハビリについてのお話です。

 

 

以前から、

退院後から始まるリハビリは、

TKA後に当たり前に実施されるものと考えられており、

関節可動域(ROM)や筋力増強、生活の質(QOL)の改善がリハビリにおいて確実に得られるものだと考えられていました。

 

 

過去の論文の多くは、

外来患者のリハビリ期間は基本的に3-8週間実施され、

1週間に複数回行なわれていました。

 

 

外来患者のROMに関しての報告ですが、

外来患者の初診時の自動屈曲がTKA後の7週における屈曲角度に強く相関するため、

ROMの維持のためにも退院後のリハビリが重要であると述べられています。

また、

退院後外来リハビリ開始が遅れることで、

疼痛の増加と膝関節の機能障害を生じやすいと報告されています。

 

 

最適なリハビリ期間については、

積極的なリハビリを術後8週以内に行うべきであり、

この8週間に積極的に膝を動かさないと

活動性が低いことで軟部組織の瘢痕化か進行し、

膝関節の柔軟性が低下すると報告されています。

 

 

 

 

リハビリの需要の高まりによる最近のトピックスは、

集団リハビリと個別リハビリと言われています。

 

集団リハビリと個別リハビリを比較した報告では、

双方とも結果が良く有意差を認めなかったと報告されてています。

この論文の中では集団リハビリは心理社会的利益を得ることができ、

個別リハビリは患者さんそれぞれに即したリハビリが提供されたと述べていました。

 

また他の論文では、

個別リハビリと集団リハビリを比較し、

術後1ヶ月においてSF-36、WOMAC、VASスコアは有意差を認めなかった

と報告しています。

同じように、個別リハビリ、集団リハビリ、ホームエクササイズ群の3群に分けた比較を行なった論文があります。

その結果、

Oxford knee scoreやWOMAC、SF36においてどの群においても有意差を認めませんでした。

 

 

いかがでしたでしょうか。

外来リハビリを実施しなければいけないことや、

できれるだけ退院後すぐに実施する必要があることがわかりました。

ただ、

日本の場合、急性期病院から回復期病院へ転院する方が多いことから

今回の結果は回復期病院でのリハビリに当てはまる可能性が高いでしょうか。

 

また、

現在のトレンドは患者それぞれに合わせた治療方法と述べていました。

集団リハもホームエクササイズも個別リハビリも

膝機能等に関して有意差を認めないのであれば、

個々に合わせたリハビリとして、

上の3つのうちから好みに合わせてリハビリを実施していただくのも一つでしょう。

 

本日は以上です。

 

 

合わせて読んでおきたい記事:  理学療法士は必要!?~変形性膝関節症患者のトレーニングの効果~
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