おはようございます。
TKA Labです。
人工膝関節置換術(TKA)後の方は、
疼痛や関節置換の影響から歩行能力やバランス能力が一時的に低下します。
低下した運動機能による転倒リスクを把握することと
迅速な運動機能の回復のために、運動機能を評価する必要があります。
その中で、用いられる運動機能評価方法として、
CS-30やTime up to go test(TUG)、Functional reach test、10m歩行速度等があります。
今回は運動機能評価方法の一つ、
5sit-to-stand test(5STS)の信頼性と他の運動機能評価方法との相関についてのお話です。
測定方法は、
TKA後4-52週の24人 (男性12名、女性12名、平均72.13±10.67歳)を対象としました。
検者間の誤差に関しては、
同一患者に対して理学療法士(PT)と整形外科医がそれぞれ測定を行いました。
信頼性および、
運動機能評価方法(TUG、4m歩行速度(4MGS ))との相関と信頼性を調査しました。
それでは結果です。
5STSの再試験と検者間信頼性は、0.998、0.982でした。
5STSと運動機能評価との相関関係は、
5STSとTUGがr=0.7(相関あり)、
5STSと4MGSがr=-0.583(相関あり)となり相関関係を認めました。
以上のような結果となりました。
検者間の信頼性もあり、
TUGや歩行速度とも相関があるため、
5STSは臨床において有用な測定の一つとなりうるのではないでしょうか。
特に、
運動機能の測定に関してスペースを取ることができない施設であれば、
治療台横で測定できるためメリットがあると思います。
ただ、
TKA後の方は、
反対側の膝が変形性膝関節症(膝OA)の方も多く
立ち上がり時に疼痛のある方も少なくありません。
反対側の病態も考慮しつつ測定に用いていただければと思います。
では。